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食の未来につながる研究を、共に描きたい 日本ハム株式会社

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日本ハム株式会社
(左から)
中央研究所
主任研究員 長谷川 隆則 氏
主席研究員 村上 博 氏
所長 岩間 清 氏
研究員 北條 江里 氏

ライフスタイル研究室
室長 工藤 和幸 氏

2020年、日本ハム中央研究所では、未来のビジネスモデルの創出を念頭に、若手研究員から新規研究課題のアイデア募集を行った。
その中から、外部との研究連携を求めたいアイデアを選び、3回目となるリバネス研究費日本ハム賞を設置した。社内のアイデアやリソースと、社外研究機関の知恵や技術との連携により、人と食の関係を幅広い視点で捉え、その未来を描く研究を生み出していこうとしている。

必須栄養供給者としての社会的責任

日本ハムグループ(NHグループ)の事業は、牛豚鶏を自ら生産飼育し、処理・加工、物流、販売まで一貫して行う食肉のインテグレーションシステムを基本としており、主たる商品は、食肉とその加工品だ。NHグループは、国内124 ヶ所、海外27ヶ所に自社農場を持ち、生産される家畜は、国内33 ヶ所、海外5 ヶ所の自社工場で処理・加工を行っている(2019年4月現在)。自社生産以外の食肉も含めると、主要な畜種の国内販売量で約20%のシェアを持つ。もちろんこれに加えて、ハムやソーセージといった加工品も自社生産し、またグループ会社には、乳製品や水産品を扱う会社も存在する。日本社会にとって、その立ち位置は必須栄養素であるタンパク質の巨大な供給者と見ることができる。「だからこそ、社会的な責任を強く感じています」と中央研究所の村上主席研究員は話す。タンパク質を供給する責任と同時に、これからは環境負荷を減らすという責任も大きくなっている。畜産事業では、糞尿の他にも羽毛や骨、皮など非可食の副産物も大量に発生する。その大半は、肥料や餌などに再利用されるが、時期によっては利用しきれず一部廃棄されることもある。またお客様の食卓に並ぶまでのプロセスで、一定量のフードロスが発生してしまうこともある。NHグループでは、命の恵みを大切にすることをグループブランドの約束としており、これらの課題解決に向けて考え続けているという。

社内外を混ぜ合わせ、課題解決を図る

NHグループの中で、基盤技術の開発をミッションとする中央研究所では、グループ創立100周年となる2042年までのビジョンとして「豊かな未来をもたらす食糧生産への挑戦」「食を通した健康と楽しさの実現」「世界をリードする食の安全の追求」「生命の恵みからの新たな価値の創造」の4つを掲げている。
そしてこの春、2021年度からの新たな中期経営計画をたてる中で、若手研究員から研究アイデアを募ったところ、33件の提案があった。その中には、着手の前に、どのようなアプローチが最適と考えられるのか、広く情報収集から取り組みたい提案もある一方、畜産副産物の活用や脂肪代替素材、保存性向上の技術など、良いアイデアがあればすぐにでも検証を始めたい提案もあるという。「課題として捉えていたものの、自社だけでは進められなかったテーマも複数出てきました。これらについて、リバネス研究費を通じて社外の研究者との連携体制を作り、チャレンジしていきたいと考えています」と主任研究員の長谷川氏は言う。

幸せにつながる研究を共に想像しよう

会社の主要事業は食品製造業という区分になるが、研究所としてはそれにとどまらず、「関わる人々の幸せにつながる研究を進めていきたい」と、中央研究所長の岩間氏は話す。
生き物にとって食べることは何ものにも代えがたい幸福であり、生きる喜びである。美味しいものを食べる幸せ、それにより体が健康になる幸せを提供することはもちろんだが、これからは、環境面を含めて持続的な生産を実現することで食べることを続けられる幸せも追求していかなければならない。その実現のための新しい技術は、社外からも貪欲に取り入れていく必要がある。
一方で、食に対する期待はさらに高まりつつあり、おいしさや栄養だけでなく、健康機能性や料理自体の体験、新しい発見などが求められるようになっている。多様化する人々のライフスタイルに対して、適応する食の形態や環境が潜在的に求められており、バイオやITなど他分野から食の分野への技術的参入も相次いでいる。今後さらに分野を超えた幅広い科学・技術の研究や文化の醸成が進むだろう。それらの社会的変化を鋭敏に感知し、時代を先導する技術とは何かを常に模索し続けていくべきだろう。
新たに取り組む研究は、10年後の2030年を目標として、2021年に何から始めるかをバックキャストで考えてアイデアが練られている。社内の提案者は10年後には主力の研究人材となる層であり、今の事業にとらわれない会社の将来像を考えるきっかけにもなっているという。
全人類が関係者ともいえるほど幅が広い、食というテーマ。生産から食卓まで、その幸せの形がどのようなものか想像の羽を広げ、タッグを組んで走っていける研究者からの申請を待っている。

アカデミアとの連携で取り組みたいテーマ例

1.未来の“食卓“に関する研究
例:新型コロナウィルス共存時代の食卓の工夫につながる研究や、スマートキッチンに関する研究など
2.未来の“食糧・食品“に関する研究
例:新しいタンパク質源の研究や、3Dフードプリンターの研究など
3.“食と健康“に関する研究
例:脂肪の代替となり得る食品素材の研究や、家庭で簡易に測定できる健康管理キットの研究など
4.畜産副産物の有効活用、フードロス削減に関する研究
例:鶏の羽毛や牛皮の活用研究など
5.食品の保存性向上に関する研究
例:食品の抗菌・静菌技術、酸化防止技術、包装技術など

(文・西山 哲史)

第50回リバネス研究費 日本ハム賞 募集開始

募集対象:大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者

  • 海外に留学中の方でも申請可能
  • 研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能

対象分野

食の未来につながる研究

採択件数

若干名

助成内容

研究費50万円

応募締切

2020年11月30日(月)24時まで

担当者より一言

日本ハムは、“持続可能な畜産を通して、良質な動物性タンパク質を安定供給すること”、“安全で美味しい食品をお届けし、幸せな食卓に役立つこと”、“栄養と運動を通して、健康な生活に貢献すること”を目指して、事業活動を行っています。今回で、3度目のリバネス研究費設置になりますが、これまでご応募いただいた課題から、いくつかの共同研究が始まっています。食の未来を共に描き、その可能性を一緒に探究いただける研究者の皆様と、また新たに出会うことができれば幸いです。

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皆様のご応募お待ちしております。

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