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時流をとらえ、マテリアルサイエンスで 社会に新たな価値を 味の素ファインテクノ株式会社

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味の素ファインテクノ株式会社(以降、AFT)は、味の素グルーブにおけるファインケミカル事業の中核を担う企業だ。長年培ったアミノ酸の応用、生産技術を基に、電子材料、機能性材料、活性炭の3つの事業分野を展開し、素材から社会を支えてきた。今回の研究費では、機能性材料そのものはもちろん、共に未来を創るバートナーとなるべく研究者がアブローチしている社会課題や目指す世界観をぜひ寄せてほしいと考えている。

情報化社会の飛躍的な発展を支えた素材

 AFTは味の素®の主成分であるグルタミン酸ナトリウムといったアミノ酸の利用研究としてエボキシ樹脂の硬化剤を開発したことに始まり、熱硬化性樹脂組成物を主とした応用技術を高めてきた。その発展として誕生したのが、 味の素ビルドアッブフィルム®(以降、ABF)である。バソコンの中央処理装置(CPU)のバッケージ基板用絶縁材として、現在では全世界の主要なバソコンのほぼ100%で用いられているという。 

 インターネットが普及し、電子機器の軽薄短小化の波が訪れた1990年代後半、それらに搭載されるCPUの高集積化によりそれを実装するためのバッケージ開発は急務であった。そこで絶縁層と導体層を交互に積層することで集積度を高める新たな手法が注目されたが、当時の絶縁材は液状のものしかなく多くの課題を生んでいたという。乾燥工程を要するために作業効率が悪く、さらに異物の付着の懸念や、溶液が回路の凹凸に追従するため平滑性が失われることなど、様々な声がメーカーから寄せられた。「フィルムにすることでこれらの課題を解決できる」という発想をもとに、長年蓄積した独自の素材開発力、配合技術、評価技術を駆使して開発されたのが世界初のフィルム状絶縁材ABFである。まさに世界が必要とする技術であり、ABFがなければ昨今の情報化社会は実現していないと言っても過言ではないだろう。

長年の技術で、あらゆる機能を自在に操る

現在は、自動車、建設、食品、医薬品、化学品精製、排水・排気処理など、私達の暮らしを支える様々な業界に素材提供を行う。狙いとする機能性を求めて試行錯誤を重ね、製品として実際に社会に出るのは10%にも満たないと話す。AFTの特徴は、クライアントの要望に合わせて、分子設計、配合設計、ブロセス開発、ソリューション提案までを一貫してできる点にある。「特に狙いとする機能性をもたせるための配合設計に強みがあり、ABFもその成果です」。ABFは主に、有機物であるエボキシ樹脂や硬化剤と、無機物の微粒子から作られる。通常、有機物と無機物を均一に分散混合することは困難で、ましてや複数の機能性を発揮させるのは至難の業だ。しかし、各分子の構造や親和性を踏まえて配合設計することで分散を可能にし、絶縁性や高い加工性などの特徴を同時にもたらした。たとえ同一の分子でも、何とどのように配合するかで機能は様変わりする。樹脂組成物に磁性を付加したり、硬化温度と時間を調整したり、誘電率を変えたり、自在に操ることができるのだ。「現在の関心領域のひとつにアロマセンサーがあります。培った配合技術によってニオイ分子の吸着脱離を制御することも可能です」。社会のニーズが目まぐるしく変わる現代、材料面から社会に貢献していていきたいと小藤氏は語る。

研究者の自由な発想で未来を描く

「研究開発を通じて、どんな世界を創りたいかぜひ聞かせてほしい」と、中村氏は研究費設置にかける想いを話した。時流を読み、社会や人々にとって必要な素材を生み出してきたAFT。世の中の流れを変えるような新しい素材の研究と、研究者の熱意に期待していると話す。例えばAFTは一液性エボキシ樹脂接着剤を従来よりもはるかに低い80°C以下の温度で硬化させる技術の開発に成功し、熱に敏感な精密部品の組立工程に革新を起こした。この材料はスマートフォンのカメラモジュールや、ハードディスクドライブといったICT化社会を支える重要な電子部品の高性能化に貢献している。「研究者ならではの遊び心ある発想に出会えるのを楽しみにしています」と話す。
申請にあたって、現在の事業に捕らわれすぎる必要はない。機能性材料の研究そのものはもちろんのこと、硬化収縮しない熱硬化性樹脂や、デバイス開発のためにこんな素材がほしいといったニーズも歓迎だと言う。例えば、ドローンの過酷な環境での飛行を可能にする耐熱や防汚素材、海底調査のための耐圧や防食性のある素材など、素材によって超えられる壁は様々あるだろう。申請書では、みなさんがどんな課題にアブローチし、未来の社会を描いているかぜひ表現してほしい。(文・金子 亜紀江)

第47回リバネス研究費味の素ファインテクノ 機能性材料賞 募集開始

募集対象:大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者

  • 海外に留学中の方でも申請可能
  • 研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能

募集分野

機能性材料とその応用に関するあらゆる研究

採択件数

若干名

助成内容

研究費50万円

応募締切

2020年1月31日(金)24時まで

担当者より一言

味の素ファインテクノ株式会社は、アミノ酸製造における中間体を利用した製品開発に始まる、味の素グループにおける化学メーカーです。現在は、電子機器、自動車、建設材料など様々な分野で、独自の機能性材料を提供しています。特にパソコンなどの電子機器内の半導体向け絶縁材は世界トップシェアをほこり、現代の情報化社会を支えてきました。
今回の研究費では、素材から社会を変えるパートナーとなるべく、素材開発を通じて実現したい世界や解決したい課題などを表現ください。素材自体の研究はもちろん、こんな素材があれば研究開発がこう進むといったニーズも歓迎です。現在の事業に捕らわれずにぜひ自由な発想での申請をお待ちしています。

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リバネス研究費の申請について

皆様のご応募お待ちしております。

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