リバネス研究費

2026年2月公募第72回リバネス研究費

第72回 CCU賞

設置企業インタビュー記事

回収したCO2から、次の産業を創る

回収技術の進展により、高濃度CO2の活用は社会実装の入口に立っている。本研究費では、DAC(Direct Air Capture)等で濃縮・液化されたCO2を出発点に、新たな物質、材料、プロセス、価値を生み出す研究を募集する。回収された炭素を、次の社会を形づくる資源へ。あらゆる分野の視点から、この課題に対する挑戦を求めている。

 

社会実装が進むCO2吸着・濃縮

産業革命以降、現在に至るまで、化石燃料の燃焼により地質学的に蓄積されてきた炭素が大気中に放出され、地球規模の気候変動の要因のひとつとなってきた。環境の急激な変動を抑制するため、あらゆる産業セクターにおいて脱炭素が叫ばれ、CO2排出量の削減や、CO2の吸収固定に経済的原動力を付与するカーボンクレジットの考え方も社会に定着している。そして今、大気中のCO2を直接固定する、あるいは大気よりは高濃度な排出源近くで吸着する様々な技術が開発されている。
例えば、2025年にノーベル賞を受賞したMOF(Metal-Organic Frameworks:金属有機構造体)は、多様な電子構造を設計可能であることから、CO2を特異的に吸着する材料としても大きく期待を集めている。また、リバネスが主催するエコテックグランプリで2025年にファイナリストとなった株式会社カーボンクライオキャプチャーは、市販のPDMS(ポリジメチルシロキサン)ゴムを吸収剤として用いることで、発酵プロセスや燃焼・ガス化プロセスなど高濃度CO2の排出源から、ごく低コストで高純度なCO2を回収する技術の実装を進めている。

 

求む、活用の社会実装に向けた技術

今回の研究費は、これらのような技術によりCO2を高濃度化したあとの「活用」に焦点を当てて募集を行う。これまでにも、例えばユーグレナやナンノクロロプシスなどの微細藻類の培養、植物工場やビニールハウス内での作物育成など光合成源としての活用や、コンクリートの硬化促進、グリーン水素とあわせてメタノールやエタノールを合成など、実用化済みのものからその手前のものまで様々な活用が進められている。本賞ではこれらにとどまらず、重合度の高い分子を低エネルギーで作るなどプロセスの革新や、糖や炭素材など付加価値の高いものを作るといった出口志向の技術、鋼や鋳物をはじめとした構造材に閉じ込めることで長期的な固定化を図る技術、あるいは回収〜活用までの全体に関するプロセス工学、さらには私たちが想像もできていないような新たな視点の研究など、幅広いテーマでのアイデアを求めている。社会のあらゆるところに存在する炭素を、どこまで「回収したCO2」を出発点として置き換えていくことができるのか。みなさんの研究テーマにより、新たな炭素循環社会の姿を描くとともに、リバネス自身も一緒に社会実装のためのプロジェクト設計を進めていく。(文・西山 哲史)

 

こんな研究を歓迎します
▶CO2を原料とした化合物合成
▶CO2過剰環境下で稼働する生産プロセス
▶高濃度CO2条件で機能する触媒設計
▶高濃度CO2環境下で獲得される微生物機能

現在募集中です。応募締切:2026年3月31日(火)18:00まで

高濃度CO2を活用するあらゆる研究

DAC(Direct Air Capture)等の技術により濃縮されたCO2溶液、または液化CO2を活用して新たな価値づくりにつながる研究アイデアを募集します。回収された炭素を、次の社会を形づくる何らかの「資源」へと転換することを目指す、あらゆる分野からの挑戦をお待ちしています。

設置企業・組織 株式会社リバネス
設置概要

採択件数:若干名

助成内容:研究費50万円

スケジュール 応募締切:2026年3月31日(火)18:00まで
審査結果:2026年4月にご連絡予定 
募集対象 ・大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者
・海外に留学中の方でも申請可能
・研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能
担当者より一言
2025年にノーベル賞を受賞したMOFを始めとした様々なCO2吸収材料や、有機系廃棄物のガス化などにより、従来は大気中に散逸していたCO2を濃縮された状態で取り出す様々な技術が進展し、社会に実装されてきています。本賞ではその高濃度CO2を活用して新たな価値を作るCCU(Carbon Capture and Utilization)のUtilizationの部分における、新たな視点でのワクワクする研究を募集します。
現在募集中のリバネス研究費