リバネス研究費

2024年12月公募第67回リバネス研究費

第67回 京セラ賞

設置企業インタビュー記事
ものづくり研究所
開発推進部 川井 信也氏、GX開発部 鈴木一平氏、CPプロジェクト 阿部 洸大氏、誘電体部品開発部 山口 裕介氏、先端機能部品開発部 黒﨑 瑞穂氏、所長 大嶋 仁英氏

共に夢をかなえるものづくりを進めたい

本年で3回目となるリバネス研究費京セラ賞。これを中心となって進めてきたのは、鹿児島県霧島市に所在するものづくり研究所の若手研究員たちだ。セラミックスを中心とした材料研究を基盤に京セラの製品を支えるこの研究所が目指す未来とはどのようなものだろうか。

 

熱意を形に変えていく「ものづくり」

京セラの製品の基盤である材料の力。ものづくり研究所はその材料に関する技術を生み出し、製造につなげる役割を担っている。メインの研究ターゲットはセラミックスだが、最近では有機材料に関する研究も増えてきた。研究分野が広がっても変わらないのは、ものづくりは人を豊かにするという考え方だ。「ものづくりには、熱意を持って行動に移すことが不可欠です」。そう語る若手研究員達が取り組んでいるテーマは、電子部品やプリントデバイスのインクジェット、CO2回収技術や水素と酸素から電気と熱のエネルギーを同時に得られるSOFC(固体酸化物形燃料電池)など、社会を支える製品に関わる材料だ。「自分たちの作ったものは外から見えないことも多いですが、豊かな社会を支えています」と、目立たないながらも社会を支えるものづくりに誇りを持って日々の研究に取り組んでいる。

 

自然との共生がこれからの人の豊かさになる

今回掲げたテーマは「人と自然との共生」だ。人は自然資源を活用しているからこそ、自然を単に守るのではなく「共生」が重要だと考えている。これまでも取り組んできたエネルギー分野に加え、材料のリサイクル技術やCO2回収技術なども注目領域だ。さらに今年の京セラ賞で新たに加わったのが災害というテーマだ。近年、日本、そして世界各国で災害が相次いでいることで関心が高まってきたのだ。「専門家ではない私たちには分からないことが多いからこそ、外部の研究者の方々と連携したいのです」。「たとえば、京セラで開発しているSOFCは非常時の電源や熱源にできるかもしれません」と、素材からデバイスそしてシステムまで開発できる京セラが貢献できる可能性を感じている。

 

ともに夢をかなえていく研究所へ

ものづくり研究所では、製造現場を意識して研究を行うことが多い。加えて、事業部以上に外部の知識を取り入れる機会が多いのも研究所の良さである。多様な専門性を持つ研究者が集まる場を創出し、その場での豊かな交流を通じ、社内外をつなぐ新たな「ものづくり」の形を共に創造することが期待されている。「すぐに協働できればそれは一番ですが、そうでなかったとしても考え方の違いを共有しながら、申請者が思い描く夢の実現を一緒に目指して行きたい」という。セラミックス以外の材料や、こんな材料があれば実現できるという構想の提案でも構わない。幅広い分野からのアプローチが新たな可能性を切り開いていくことになるだろう。
(文・重永 美由希)

現在募集中です。応募締切:2025年1月31日(金)18:00まで

人と自然との共生をかなえる「もの」に関する夢のある研究

テーマ例
・カーボンニュートラルやネガティブエミッションに関する研究
・新しい電池や微生物等を活用した新しいエネルギーに関する研究
・チタン酸バリウムを超える誘電体材料に関する研究
・複合材料、特に生体模倣材料等の新しい微構造を造るための研究
・材料のリサイクルに関する研究
・防災や災害復興に関わる研究
※上記に限らず、人と自然との共生をかなえる「もの」に関する夢のある研究に関して幅広く応募しています。

設置企業・組織 京セラ株式会社
設置概要

採択件数:若干名

助成内容:研究費50万円

スケジュール 応募締切:2025年1月31日(金)18:00まで
審査結果:2025年4月にご連絡予定 
募集対象 ・大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者
・海外に留学中の方でも申請可能
・研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能
担当者より一言
ものづくり研究所では材料研究を基盤に、社会を豊かにする製品を現実のものにするための研究に取り組んでいます。本研究費では様々な分野の皆様と、人と自然との共生という夢を共有し、叶えていくための「もの」づくりにむけた最初の議論を開始したいと考えています。環境・エネルギー分野や災害分野での夢のある研究テーマを募集します。
現在募集中のリバネス研究費