リバネス研究費

2023年6月公募第61回リバネス研究費

第61回 𠮷野家賞

食とデータをつなぐあらゆる研究

ロボティクス、データサイエンス、情報通信、XR、コミュニケーション、薬学、医学、材料工学、電子工学、人間行動学、心理学、経済学、建築学、デザイン、ものづくり、など分野を問わず幅広い科学・技術分野の研究を募集します。

設置企業・組織 株式会社𠮷野家
設置概要

採択件数:若干名
助成内容:研究費50万円 +店舗等を研究・実証試験フィールドとして提供

スケジュール 応募締切:2023年8月31日(木)18:00まで
審査結果:2024年1月ごろにご連絡予定
募集対象 ・大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者
・海外に留学中の方でも申請可能
・研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能
担当者より一言
𠮷野家では食とデータをつなぐ科学・技 術を募集します。我々が挑む「飲食業の再定義」を実現するには、飲食業の常識にとらわれない想像力が不可欠です。一見すると食と関係ないテーマを取り入れたときこそ、新しい価値が生まれると信じています。募集テーマの「データ」には、研究者であれば誰もが応募できる研究費にしたいという想いを込めました。共に飲食業の未来を作る、熱い研究者の応募を待っています。
設置企業インタビュー記事
株式会社𠮷野家
未来創造研究所未来施設・設計担当
今村 誉 氏

飲食業の再定義を、研究者と共に実現したい

創業から120年以上、日常食のインフラとして人々の生活を支え続けてきた𠮷野家は、今、飲食業の再定義に挑んでいる。長期経営ビジョンに「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに掲げ、再定義による新しい価値創造を目指している。𠮷野家が研究者と共に実現したい未来について話を伺った。

研究者の自由な発想が飲食業の成長を促す

今年で9回目となるリバネス研究費𠮷野家賞。毎年、研究費を設置するのは、若手の研究者を支援したいという、変わらない想いがあるからだ。研究者が毎日触れ合う「データ」をタイトルに据えたのには、研究者であれば誰もが応募できる研究費にしたいという想いが込められている。若手研究者の自由な発想を促すきっかけづくりに、研究費のサポートに加えて、店舗を実証フィールドとしても提供している。「一見、食と関係ない分野こそ、かけ合わせた時に新しいことが生まれるはずです。全く想像ができない、何がでてくるか分からないところがリバネス研究費の面白さです」と語る未来創造研究所の今村氏。飲食業の再定義には、研究者の力が必要だと𠮷野家は信じている。

テクノロジーを取り入れ、ひとの価値を最大化する

𠮷野家は経営理念である「For the People」のもと、「食」の楽しさ、豊かさを人々に届け続けてきた。おいしく豊かな食事を支えるサービスは「ひと」にしかできない価値提供であり、「ひと」による価値づくりこそ、持続的に成長するための条件と捉えているからだ。「ひと」から生まれる価値創造を最大化するために、テクノロジーの店舗導入を積極的に進めるのが、𠮷野家の未来創造研究所だ。例えば、テクノロジーにより居心地の良い店舗環境が実現すれば、ご来店されるお客様の満足度をさらに高められるかもしれない。また、飲食店で働く従業員の負担を軽減することで、調理やお客様との限られたコミュニケーションに集中できるようになるだろう。「これまでの飲食業は情緒的な側面が多くあり、テクノロジーがあまり入ってこなかった分野でした。テクノロジーを通じて、人の価値創造を最大化することで、飲食業の再定義を目指しています」。

研究者と現場の熱の融合で、未来を作る

未来創造研究所ではこれまで、研究者・ベンチャーの方々と連携して、多くの開発・店舗導入を手掛けてきた。例えば、ものづくりベンチャーと共に、食器洗浄工程の全自動化に取り組んでいる。これまでも食器洗浄機は存在するものの、食器の浸漬、予備洗い、食器のラッキング、洗浄後ピッキングなどは、全て人の手で行ってきた。必ずしも人がやらなくても良い作業をロボットに置き換えることで、調理や接客サービスに集中できるようになる。現在は試作品が完成し、店舗での実証試験へと進んでいる。また、店舗運営に欠かすことのできない、シフト管理業務もAIを用いて最適化している。𠮷野家の従業員は1店舗で10人から20人にも及ぶため、勤務希望をそれぞれ募り、各自の都合を考慮したシフトの調整作業は負担が大きい。そこで、AI研究者と連携してシフトを自動で作成する「勤務スケジュール作成支援ソフト」を開発した。さらに、社会心理学者の知見を加えることで、リコメンド機能を追加。 行動心理学上の交渉アドバイスを受けることで、店長と従業員にとって、快適なやりとりの機会が増えてきた。店舗の課題を解決したいという現場の熱意と、研究者・ベンチャーの技術に対する熱意を掛け合わせることで未来を作り続けている。 (文・尹晃哲)

現在募集中のリバネス研究費