現在募集中です。応募締切:2025年10月31日(金)18:00まで

機械設計の自動化と町工場での実装に繋がるあらゆる研究
金属部品加工に特化してきた町工場が、AIなどの新技術により上流の設計業務など周辺領域に挑戦できる時代が到来しています。誰もが手軽に設計が可能になる機械・装置設計の自動化、ジェネレーティブデザインの実現につながる研究を広く募集します。また、町工場の技術者が自動化技術を使いこなすための教育・人材育成に繋がる研究も募集します。
設置企業・組織 | 成光精密株式会社 |
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設置概要 | 採択件数:若干名 助成内容:研究費50万円、町工場での研究・実証試験への協力 |
スケジュール | 応募締切:2025年10月31日(金)18:00まで 審査結果:2026年1月にご連絡予定 |
募集対象 | ・大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者 ・海外に留学中の方でも申請可能 ・研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能 |
- 担当者より一言
- 超短納期で精密部品加工に取り組んできた成光精密では、ガレージミナトを併設し、ベンチャーや研究者が持つアイデアをカタチにするサポートも開始しています。当社の加工技術者が、ポンチ絵や構想から要求機能を整理し、機械装置設計にチャレンジできる環境を作りたいと考えています。現在活躍するベトナム人技術者たちが将来的に使いこなせるようなツール、その使い方を習得できるプロセスの提案も大歓迎です。
リバネス研究費の申請について
機械設計の自動化と町工場での実装に繋がるあらゆる研究
設置企業インタビュー記事
設計者のいない町工場が設計に挑む
成光精密は、大阪市港区に拠点を置く創業19期目の町工場である。精密部品の単品加工、手のひらサイズの試作部品の案件を中心として、対象業界は自動車・半導体・液晶・医療など幅広く手掛けている。今回の研究費では、同社の新たな挑戦に共に挑んでくれる研究者を募集する。
アイデアをカタチにするものづくり支援拠点、ガレージミナトの立ち上げ
ものづくりの現場の海外へのシフトが進む中で、自社が得意とする小型の試作品開発においても危機感を抱いていたという高満氏。リバネスとの出会いにより「研究者やベンチャーがアイデアをどうモノとして形にすればいいか分からないという課題を持っている」ことを知った衝撃から、自ら異分野である研究者・ベンチャーの中に飛び込んだ。これまで話したことのない人達に混ざり一緒に議論することで得た「自分たちのような町工場が力を出せる、価値を出せることがある」という実感は、ものづくり支援拠点「ガレージミナト」の立ち上げへと高満氏を突き動かした。研究者・ベンチャー・町工場が一堂に会して要件定義から試作までを一気通貫で進めることができる場であり、溶接・表面処理・板金など各社の得意分野を束ねてゼロイチを生み出すことを目指している。
設計に必要な様々なプロセスを自動化する
町工場として新しい挑戦をし続けている成光精密が、新たに始めようとしているのが設計領域への業務の拡大だ。加工に特化した多くの町工場には設計者がいない。ここ数年で格段に進化するAI技術等が、この町工場の設計者不在の課題を解決しうるのではないかと考えている。設計と一口に言っても捉えている範囲は広い。例えば、設計をする上では仕様が必要だが、顧客側から明確な仕様を提示できないケースが非常に多い。そうした場合は、温度帯やかかる荷重などの最終製品の使用環境や必要な機能をヒアリングし、材質・加工方法・外注先候補を具体的にしていく。実際にはこれが一度で固まらず2度手間・3度手間が発生しやすい。そこで、経験・ノウハウによる仕様決定のプロセスをAIやアルゴリズムを用いることで自動化ができると非常に有益だ。仕様から2D・3Dの設計図面を生成するプロセス、さらには加工機械のプログラム作成の自動化ももちろん期待している。また、設計において重要になるノウハウの蓄積も狙っており、自動化に限らずノウハウの形式知化や過去設計・製作事例や図面との統合管理も進めていきたい。
グローバルに設計者を育てる
設計支援ツールだけでなく、設計者を育てる教育ツールもまた、町工場が設計にチャレンジする上では必要だ。設計者がいないということは、教えられる人もいないということだ。現在、成光精密の加工現場は、すべてベトナム人技術者が担っている。加工体制をベトナム人技術者で構成する決断をして以降、業績も飛躍的な成長を遂げており、設計においてもベトナム人技術者が活躍するものと考えている。そうなると、言語も超えて設計者を育成する教育ツールが重要になる。こうした教育ツールを整えることで、「町工場での実装」が現実的になるだろう。
今回の「リバネス研究費 ガレージミナト賞」では、「機械設計の自動化と町工場での実装に繋がるあらゆる研究」を募集する。採択者は、実際の製造現場での経験・ノウハウの抽出協力、試作したシステムを用いた実証協力など、町工場をフィールドに研究開発が可能だ。対象領域としては、設計工学・機械設計(多目的最適、ロバスト設計、DFM/DFAM)、人工知能・機械学習(要件抽出・形状生成・サロゲートモデル)、ジオメトリモデリング・計算幾何学(形状パラメトリゼーション、境界表現、格子生成など)、その他想定外の分野からの提案も歓迎だ。設計者の価値を尊重しながら、設計者不在の町工場でも上流から戦える仕組みを、ともに形にしていきたいーーそんな想いを持つ研究者との出会いを期待している。
リバネス研究費の申請について
現在募集中のリバネス研究費
- 第70回 ガレージミナト賞(応募締切:2025年10月31日(金)18:00まで)
- 第70回 第一工業製薬賞(応募締切:2025年10月31日(金)18:00まで)
- 第70回 日本ハム賞(応募締切:2025年10月31日(金)18:00まで)
- 第70回 プランテックス先端植物研究賞(応募締切:2025年10月31日(金)18:00まで)
- 第70回 PFASブレイク賞(応募締切:2025年10月31日(金)18:00まで)
- 【常時募集】リバネス研究費 スタッフ推薦枠