リバネス研究費

2025年6月公募第69回リバネス研究費

第69回 ドリコ賞

現在募集中です。応募締切:2025年7月31日(木)18:00まで

水処理プロセス・資源循環を革新するあらゆる研究

上水・中水・下水・産業排水の水処理の効率化や、処理過程で生まれるメタンやリン等の資源の回収・利活用に関わる研究。また、下水道管の腐食防止や維持管理の最適化など、インフラの持続性を高める技術も対象とし、水と資源が循環する社会の実現を目指す、幅広い研究テーマを募集します。

設置企業・組織 ドリコ株式会社
設置概要

採択件数:若干名
助成内容:研究費50万円

スケジュール 応募締切:2025年7月31日(木)18:00まで
審査結果:2025年10月ごろにご連絡予定
募集対象 ・大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者
・海外に留学中の方でも申請可能
・研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能
担当者より一言
ドリコは、「水のことならじゆうじざい」をコンセプトに上下水・産業排水の水処理プラント建設・維持管理・薬剤販売を通じ、現場に応じた柔軟な対応力と評価試験・設計技術力にて、持続可能な社会環境づくりに取り組んでいます。昨今深刻さを増す地球温暖化・人口減少・担い手不足・老朽化等の水環境インフラにおける課題に対し、先端的な研究やユニークな技術は不可欠と考えています。次代を担う挑戦的なテーマをお待ちしております。
設置企業インタビュー記事
(写真向かって左から)
事業企画部 高野 喜明 氏
水環境事業部 環境薬剤部 営業グループ  松田 剛 氏  
水環境事業部 環境ソリューション部 営業グループ(兼)システム設計グループ 堀田 倫宏 氏
水環境事業部 環境ソリューション部 システム設計グループ グルーブ長 阿部 敏明 氏
事業企画部 部長 小宮 洋行 氏

現場で生まれる水の課題に、アカデミアと臨む

ドリコ株式会社は温泉等の水源調査から掘削、水処理設備の設計・施工および維持管理に加え、環境薬剤の開発・販売などトータルエンジニアリングを提供している。日々、都市部から離島まで足を運び、その現場特有の水の課題に向き合っている。

大手ができないニッチな現場もトータルにサポート

ドリコが大切にしているのは、1つ1つの現場に合わせたソリューションの提供だ。「1つとして同じ現場は存在しない」と言われるほど、水質や排水の性状は現場によって違う。大手企業では手の届きにくい“ニッチ”な現場のニーズに対しても、ドリコは確実な価値を提供することを重視し、中堅企業ならではの機動力で、それぞれの条件に応じて最適解を構築し、チームで向き合ってきた。

求め続ける水処理技術の革新

現場ごとに異なり、ニーズも多様化する現場課題の解決のために、新技術の開発に終わりはなく、またその必要性も年々高まっている。しかし、現場に導入される新技術は多くはない。たとえば、下水処理現場での消臭剤では、過去10年間に目立った新製品は生まれていない。近年、課題となっているインフラの寿命にも影響する硫化水素などの物質への対応技術も、コストと効果の両面でより優れた解決策が求められ続けている。さらに近年では、水処理プロセスの副次的な課題として、二次廃棄物の処理や再利用のニーズが顕著である。高含水率の汚泥や、過剰なリンや油を含む排水など、産業廃棄物処理費用や環境基準の強化といった背景から、従来の処理方法とは異なる技術での対応を求められる案件が増えているのだ。これらのニーズに対応するためには、処理対象物の特徴、処理効率の限界、コストなど様々な制約の中で適用できる新しい技術の開発が不可欠である。

まだ世にないソリューションと価値の開発を、共に目指す

今回ドリコが掲げた募集テーマは「水処理プロセス・資源循環を革新するあらゆる研究」だ。対象は、浄水・排水処理に関する基盤技術に加え、硫化水素等の有害物質の抑制、活性汚泥・リン・メタンなど副産物の資源化、またインフラの耐久性向上技術などを含む。たとえば、既存の有機物除去や窒素除去技術を超えていく革新や、従来“廃棄物”とされていた対象に新たな価値を見出し、アップサイクルを実現する技術は、水処理の枠を超えて社会全体にインパクトをもたらす可能性を秘めている。また、将来課題になることが考えられる「顕在化していない課題」に先回りしてアプローチする初期段階の研究開発においても、若手研究者と連携し、共に本質的な課題解決を目指すことを今回の取り組みの目的としている。現場の一品一様の水に応える柔軟な発想、見過ごされがちな領域に踏み込む姿勢、そして技術の“常識”を超える挑戦──そうした研究と出会えることを期待している。

現在募集中のリバネス研究費