リバネス研究費

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2023年9月公募第62回リバネス研究費

第62回 タカラベルモント ミモザ賞

「美と健康」の実現につながるあらゆる研究

毛髪や口腔内環境、空間設計、快適性、コミュニケーション、サステナブルな原料調達や資源循環、文化などをキーワードに、「美と健康」の実現につながる研究テーマを幅広く募集します。本賞では特に、ライフイベント等を理由に自分らしい研究キャリア形成に困難を感じている女性研究者をサポートします。

設置企業・組織 タカラベルモント株式会社
設置概要

採択件数:若干名
助成内容:研究費50万円

スケジュール 応募締切:2023年11月20日(月)18:00まで
審査結果:2024年2月ごろにご連絡予定
募集対象 ・大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者
・海外に留学中の方でも申請可能
・研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能
担当者より一言
美しい人生を、かなえよう。私たちのパーパスは、そのまま、研究者ひとりひとりが自分らしい人生を叶えて欲しいという想いに繋がっています。この賞はひとりひとり異なる研究者の悩みに寄り添い、応援するために生まれました。私たちは多様性は発想の源泉と考えます。本賞をきっかけとして、幅広い分野から、みなさんの“らしさ”が詰まった、オリジナルな研究と出会えることを期待しています。

アカデミア研究者と連携して実施したい研究テーマ例

◉髪の毛から健康指標を得る研究
◉髪の内部構造と浸透技術の研究
◉機械学習を用いたコミュニケーションロスを低減する研究
◉口腔内環境と全身の健康の相関に関する研究
◉ノンストレスにつながる空間、照明、匂いなどに関する研究
◉心地よさや快適性の測定に関する研究
◉美容と健康に関連する文化人類学
◉サステナブルな原料調達や資源の循環による環境保全に関する研究

設置企業インタビュー記事

美しい人生は「自分らしさ」を発揮することから始まる

理容椅子を中心に、理美容分野と医療分野で幅広い業務用設備機器を手掛けるタカラベルモント。2021年に100周年を迎えたことを機に、社員が中心となった様々なプロジェクトを立ち上げている。そんな中で生まれたのが、今回のリバネス研究費「タカラベルモント ミモザ賞」だ。このプロジェクトを通じて、「自分らしさ」を発揮する研究者を増やしたいと考えている。

 

良質な製品に「文化」を乗せて

理美容室の鏡の前やシャンプー台に設置してある椅子は、きっと誰もが利用したことがあるだろう。1921年に鋳物工場として創業したタカラベルモントは、1931年に理容椅子の製造から理美容用分野に進出した。長年の経験とノウハウに基づいた耐久性の高さと、使用者の心地よさなど人の感性に配慮した設計・デザインが特徴の同社の製品は、現在、国内サロンの6割以上で使用されている。さらに、理容椅子のノウハウを生かし、歯科や産婦人科などで患者を支える歯科用椅子や検診台など医療分野でも存在感を発揮し、世界120か国以上で使用されている。さらには、サロンでの体験をデザインする空間設計を手掛けたり、サロン向け製品を中心とした化粧品を独自開発したりと、祖業にとらわれず幅広く事業を行っている。まさに、日本の質の高い理美容・医療分野の文化を、ファシリティの側面から生み出してきた企業なのだ。

 

多様な「自分らしさ」を尊重するために

2021年に100周年を迎えた同社は、「美しい人生を、かなえよう。」という新たなパーパス(企業目的)を設定した。いかにも理美容関連企業らしい、と思うかもしれないが、この言葉のあとにはこんな説明が続く。「私たちタカラベルモントは、自分らしく生きる人生こそが、美しい人生だと考える」。このメッセージを社外にも発信すべく立ち上がったプロジェクトの1つが、今回の女性研究者助成プロジェクトだった。アカデミアでの研究経験もある開発本部の上川裕子氏は、「将来に向けて研究開発をより強化していくことを考えたとき、多様性をどう生かしていくかが非常に重要だと思いました。翻って、社内を見てみると研究開発に携わる女性が少なく、多様性があるとはいえない状態でした」と話す。女性研究者というマイノリティが活性化したら、別のマイノリティにもそれが伝わっていくのではないか。その先駆けとして、まずは自分らしく活躍する女性研究者を増やすことから始めようと思い立ったのだ。では、女性研究者に対してどのような支援ができるとよいのだろうか。何名かのアカデミア研究者を訪問し、ヒアリングを行いながら検討を重ねていった。

 

感性の異なるプロフェッショナルと出会いたい

今回注目したのは、研究者のキャリア初期における不安定な雇用環境と、研究とライフイベントとの両立の問題だ。その特徴は、1人1人状況が異なるため、一律の支援策で多くの人をカバーすることが難しい点にある。たとえば助成金の使い途として、研究費など研究そのものに使いたい人もいれば、研究に集中するために子育てなど生活面でのサポートを得るために使いたい人もいるだろう。そういった柔軟な支援をどう実現するか考える中で、使用用途に対する制限を設けず、採択者の希望に応じて自由に活用できる「リバネス研究費」を見つけた。これを通じて、1人1人が自分の思う研究者らしい生き方ができるようサポートしたいと考えている。技術部の千葉周平氏も、今回のプロジェクトの趣旨に共感して集まったチームメンバーの1人。これまで産婦人科用の椅子設計等に携わる中で、設計チームに女性が不在なことの課題も強く感じていたという。「視点も感性も違うプロフェッショナルに出会い議論することで、もっとよいものが生み出していけると思うんです」と、これから出会う研究者との連携にも期待を寄せている。研究者1人1人の「自分らしさ」が発揮されることで、世の中のより多くの人が美しい人生を叶えられるようになる、そんな新しい取り組みになるはずだ。(文・重永 美由希)

現在募集中のリバネス研究費