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第53回リバネス研究費 ニッスイ賞

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日本水産株式会社
日本水産株式会社

設置テーマ・対象分野

テクノロジーを活用して食をアップデートするあらゆる研究

「未来の食」に関する研究を中心に、食品のおいしさ、栄養・機能性、加工・調理・保存、食品廃棄物の有効利用、自宅での健康管理ツール、パーソナル栄養、食品の情報工学に関する研究など、食をアップデートするあらゆる研究を募集します。

設置概要

採択件数:若干名
助成内容:研究費50万円

スケジュール

応募締切:2021年7月31日(土)18時まで
審査結果:2021年10月ごろ、ご連絡予定

募集対象
  • 大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者
  • 海外に留学中の方でも申請可能
  • 研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能

担当者より一言

ニッスイでは、水産物をはじめとした資源から多様な価値を創造し続けるため、水産食品・養殖・健康分野の研究を進めてきました。現在、食と水産を取り巻く環境は、世界の人口増加に伴う食糧危機や、気候変動による海水温上昇などを含め、大きな変化の時を迎えています。私たちの20年後、30年後の未来を見据え、食をアップデートしうるあらゆる研究を今回募集します。おいしさや機能性、食品加工、食品廃棄物利用など、食に関連した研究にとどまらず、情報工学やヘルスケアデバイスなど、多岐にわたる分野からの斬新なアイデアをお待ちしています。

設置企業インタビュー記事

日本水産株式会社 畑中 晃昌 氏

中央研究所 養殖基盤研究室長 畑中 晃昌 氏

斬新な研究アイデアで、食をめぐる時代の荒波を乗り切れ

水産食品企業の中でも研究開発に力を入れている日本水産(ニッスイ)。水産物をはじめとした資源から多様な価値を創造し続けるため、長年に渡り水産・食品・ファインケミカルの研究を行ってきた。民間における水産研究の第一人者でもあるニッスイが、これからの食の未来へ向けて、アカデミアと共に仕掛けたいことは何かを伺った。

ニッスイの研究開発の源流

1920年に日本で初めて設立された民間の水産研究機関である「早鞆(はやとも)水産研究会」。これがニッスイの研究開発の源流にあたる。ディーゼルトロール船や船内急速冷凍装置などを開発し、R&Dが当時の事業の革新を支えた。ニッスイの長い歴史の中で試練のひとつが、1970年代のいわゆる「200海里問題」だった。遠洋漁業にかかったこの制約は、以降の業績悪化をもたらした。「その危機を救ったのが、EPA(エイコサペンタエン酸)でした」と畑中氏は語る。千葉大学との共同研究によって、魚油に含まれるEPAの有用性にいち早く着目したニッスイは、魚油からの高純度EPAの精製に世界で初めて成功、医薬品原料として供給を開始し、後に様々な健康食品にも使われる機能性素材として拡販している。時代の荒波を乗り切るには、先見性のある研究開発が不可欠だったのだ。

今、食をアップデートすべき理由

現在、食と水産をめぐっては、世界の人口増加に伴う食糧危機やフードロス、気候変動による海水温上昇など、様々な課題が山積している。「社会の変化に対し、新たな研究開発の布石を打つ必要がある」と畑中氏は考えている。今回のリバネス研究費では、テクノロジーを活用して食をアップデートするあらゆる研究が募集対象だ。特に重要なテーマとして畑中氏が挙げるのが、“未来の食”である。例えば、培養肉をはじめ、未来の食卓にはどんな食品が並ぶのか。今までにない手法で、美味しさや味・香りを評価することは可能か。食の栄養機能性をさらに進化させることはできるか。食品の加工・調理・保存プロセスを革新する技術はないか。食品加工の過程で生じる廃棄物を有効活用し、持続的な食料供給を実現できるか。食のパーソナライズ化が進む未来で、個人の栄養・健康状態をどのように最適化するか。AIなど技術進化が著しい情報工学分野を、いかに食と掛け合わせるか。「ここに挙げたのはあくまで一例です。あらゆる観点から、未来の食とは何かを、アカデミアの研究者と共に考えたい」と期待を語る。

研究者の発想が、限界突破の鍵

ニッスイはこれまで、NECとの共同開発による養殖魚の体長測定自動化ソリューションや、日鉄エンジニアリングとの連携による大規模沖合養殖システム海洋実証試験など、オープンイノベーションに取り組んできた。「今後は、異分野のアカデミアの皆さんとの連携に関心があります」と畑中氏は言う。水産系の大学や研究室には豊富なネットワークを持つ一方で、異分野の研究者との関係性は未開拓だという。今回、あえて“水産”を全面に出さず、“食”全体をテーマとしたのもそうした想いの表れだ。
私たちを取り巻く生活環境、食糧事情、海洋環境は、今この瞬間も急速に様変わりしている。20年後、そして30年後の未来、私たちは何をどう食べているのだろうか。そのために今どんな研究が必要だろうか。「極端な言い方をすれば、ニッスイに忖度する必要はありません。我々が単独で考えうるアイデアには限界があります。あなた自身の研究分野と掛け合わせて、ぜひ斬新なアイデアを投げてほしい」。時代の荒波へ共に立ち向かってくれる、新たな分野の研究者との出会いを楽しみにしている。(文・塚越 光)

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