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研究者のあり方を拡張するURAの経験(株式会社ソニックアーク 原健太さん)

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株式会社ソニックアーク 代表取締役社長 CEO
株式会社AfricaScan General Manager
東京農業大学大学院 農学研究科 国際農業開発学専攻 博士課程
原 健太さん

 

アフリカと日本の2社のベンチャー企業の経営に関わり、世界中の人の健康に関する課題解決を目指す原さん。そこに至るには開発途上国での活動、URAでの経験が大きく影響していた。修士課程在学時やJICA青年海外協力隊では、途上国において農業や人の健康に関わる研究活動をしていた。現地で感じたことは、課題を解決するための技術は必ずしも最先端である必要はないということだ。そして、物や情報、技術を開発途上国に届ける方法があれば健康問題を解決できるかもしれないと考えるようになった。そのために自分に何ができるのかと考えている最中、知人の紹介で一度日本に戻り、立命館大学のURAで活動を始めることとなった。

URAの仕事の中で出会った研究者は、超指向性音響技術を開発し、騒音という課題の解決を目指していた。騒音は先進国において技術の発展と共に深刻化し、人の健康にも関わる重要な課題だ。研究代表者に共感し、事業化することで課題解決に挑戦したいと決心した原さんは、2020年2月にソニックアークを設立、CEOとなった。「大学の研究が、持続可能な形で社会にインパクトを与え続けるには、ビジネスとして回していくことが重要です」。原さんは、ベンチャーとしての活動を続けながらも、アカデミアの所属も持ち研究成果を社会実装する研究とビジネスモデルの構築の両立を目指している。

URAの経験の本質は、研究内容や技術を社会に活かすためにアクセプタブルな形で話すサイエンスコミュニケーションだという。「研究を視座高く捉え、社会につなげていくためにどのように研究を進めればよいか。アカデミア・ベンチャー・大企業を問わず研究者に重要な視点です。URAでは、研究を中心に活動している時とはまた違った視点が得られます」と原さんは話す。近い未来、原さんのようにURAを経験した研究者が、アカデミアで、大企業の研究所で、ベンチャーの経営者として、活躍することも増えていくだろう。そして、全ての研究者がサイエンスコミュニケーションの視点を学び、技術と社会の架け橋になることが当たり前になっていくのではないだろうか。

(文・西村 知也)

 

※本記事は2020年6月発刊の冊子「incu・be(vol. 49)」に掲載されています

<参考リンク>

株式会社ソニックアーク https://www.sonic-arc.com/

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