【知恵求む】牛糞を燃やして効率的なリサイクルを目指せ 株式会社松永牧場
家畜の餌であるトウモロコシ価格の高騰や生産者の高齢化、後継者不足などの理由から農家戸数が減少している。 そのような中、経営規模拡大を続ける松永牧場の取り組みに迫る。
積極的な技術導入で現場の課題を次々に解決
松永牧場では食品残さを配合したエコフィードを独自生産している。これを用いることで、一般的に生産コストの6〜7割を占める飼料費を、3割にまで抑えることができた。エコフィードの献立設計は、獣医師が毎週栄養価を算出して行っており、乳酸発酵させることで保存性を高める等独自のノウハウも蓄積している。
また、毎日1,100頭を4人がかりで行なっていた搾乳作業を効率化するため、ロボット搾乳機を導入。乳量や乳質の記録、搾乳機の洗浄などを完全自動化したことで、ひとりで管理することができるようになった。
経営の課題を抽出し、積極的な技術導入により全体最適化を追求する姿勢が、生産頭数拡大に繋がっているようだ。
牛糞リサイクルに研究者の知恵求む!
次に取り組む課題は牛舎の環境対策。牛は肉牛1頭で一日あたり20Kg、搾乳牛では45Kgもの糞をする。牛糞を堆肥化して販売しているものの、10,000頭の規模になるとそれだけでは対応しきれない。そこで、牛糞をバイオマスとして高炉で燃焼させ、発電させるプランを検討中だ。
牛糞は含有塩分が高く、高炉に負担がかかるのが現状の課題。松永牧場では牛糞の塩分濃度を安価に低下させる方法を探している。関連技術をお持ちの研究者はぜひ、手をあげてほしい。
牛糞のリサイクルによる環境対策の他、酪農、肉牛生産に関わる各種実証研究の連携先を募集しています。
松永牧場DATA:https://www.matunaga-gyu.com/
島根県の西部、日本海に面した風光明媚な益田市に1973年に設立された松永牧場。約184頭の乳用種肥育経営からスタート。現在では、関連会社の萩牧場、浜田メイプル牧場を合わせて和牛、F1(交雑種)、ホルスタイン(乳用種)の総頭数10,000頭を超える日本有数規模での繁殖肥育一貫経営を行っている。
リバネス生産技術研究所は一次産業に科学・技術を導入することで、課題解決を促し、自給率向上ならびに地方創生に寄与することを目指します。
生産現場での実証研究をご希望の研究者の皆様はぜひご相談ください。
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