【大阪】研究キャリアの相談所セミナーを開催しました
8月28日(金)、研究キャリアの相談所、大阪事業所では、セミナー「研究力養成講座」の第1回目を実施しました。本セミナーは、事前に参加者から、「研究キャリア」にまつわる相談や悩み事を収集。その質問をもとに、研究経験を活かして社会で活躍できる人材になるための考え方や、社会の現状についてお話する会です。
第1部の講演のテーマは「企業は研究者をどう見ているのか~データで見る研究者への期待~」。
①企業は博士をやとってくれない?②研究の専門内容は企業の研究では役にたたない?③博士に進学したら就職する場所が限られる?博士の就職に関する3つの都市伝説について、数字や採用関係者の話をもとに研究キャリアの相談所スタッフが検証した結果をお話しました。
第2部は、「自分の研究力をチェックしよう!」。第1部でお話した企業からの博士への期待をもとに、自分の研究力を振り返るワークを実施。実はコミュニケーションができていなかった、自分の専門が活かせる場所を知らない、など、それぞれに気づきがあったようです。
第3部では、研究キャリアの相談会を実施。
参加者が、それぞれ具体的な悩みや質問を寄せてくれました。
様々な価値観や意見がありますが、
それぞれの悩みや質問に対して、研究キャリアの相談所スタッフKとIが質問に答えました。
<参加者から寄せられた質問>
・博士課程に進学する際に、将来の進路は決まっていた方が良いのでしょうか?
⇒博士課程を卒業するということで、研究力に対する世の中の期待値はあがります。
一方でそれだけ、研究職につくことに対してのハードルはあがっていきます。
やりたいことがわからないから、まだ学生をしていたいから、という時間を稼ぐために、
博士に行くのはおすすめできません。研究に没頭する、という言い訳をつくって、
自分のキャリアについて考えることを放棄しているだけで、そういう人は博士にあがると
もっと就職が難しくなる可能性があります。博士の間にこんなスキルを身につけるぞ!
こんな人脈をつくる!など、何かしら目標を定めて、自ら進めていけるのであれば
今進路が決まっていなくても、いろいろな場所で活躍できる人になるでしょう。
その目標設定をするためにも、社会で求められている力を探ることは大事。
研究と同時並行で、企業の人と話しをする機会などがあったら積極的に活用すると
良いでしょう。
・今はアカデミアと企業と両方を考えている。いつから就職活動を始めるべき?
⇒就職活動を期間限定にして、企業の都合にあてはめる必要はありません。
D1やD2であっても、どんな仕事があるのか、自分は何をするべきか、などは
探っていけるはずです。自分のキャリアを考える材料となる情報には、
常にアンテナははっておきましょう。
ちなみに、アカデミアでのポストは、不定期に出ていますが、次の年の4月からの場合、
秋以降に出ることが多い印象です。企業の就職活動は3月〜8月がピークになりますので
余裕があれば両立することも可能ではあります。
・企業ごとや業界ごとでどんな研究をしているかが見えづらい。どのようにして知るべきか?
⇒就職サイトに出ている情報以外を収集したいなら、ぜひ直接企業にコンタクトをとってみたら
いかがでしょう? 漠然とした依頼なら断られてしまうかもしれませんが、学会に出ている
ネタやR&Dの情報を調べた上で、「こんなことを聞いてみたい」「こんなことを考えている」
という具体的な依頼であれば、なんとか検討はしてもらえるのではないでしょうか。
何かを理解するとき、人と会ってお話できるのが最も近道です。
リバネスのインターンシップで行う『incu-be』の取材は、企業でやっている
研究内容やそこで働いている人についてヒアリングできる貴重な機会にもなっています。
読んで知るのも良いですが、チャンスがあったら取材をしてみませんか?
など
<参加者からの感想>
自己分析ができたその場で相談ができたのがよかった。迷っていたところがわかった。
博士に進学しても選択肢を狭める必要はないということがわかった。
博士に対して不安を持っていたが、自分次第だな、と思うことができた。
次回は9月18日に開催。次回のテーマは、
「そのキャリア、社会を考えられていますか?」/「課題発見力を磨こう」です。