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第53回リバネス研究費 日本ネットワークサポート賞

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株式会社日本ネットワークサポート
株式会社日本ネットワークサポート

設置テーマ・対象分野

微粉末化または高温焼成を必要とする夢ある研究

全国の送配電網で数多く使われており、安定して電力を届けるために不可欠な高品質な碍子を1920年から作り続けています。培ってきた窯業の技術力 、トロンメル型ボールミルおよび高性能な焼成炉など日本トップレベルの製造環境等を活かして、共に新たな事業領域を創造できる提案を幅広く募集いたします。

設置企業

株式会社日本ネットワークサポート
審査は関西電力技術研究所と連携して行います

設置概要

採択件数:若干名
助成内容:研究費50万円、トロンメル型ボールミルや焼成炉の無償利用

スケジュール

応募締切:2021年7月31日(土)18時まで
審査結果:2021年10月ごろ、ご連絡予定

募集対象
  • 大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者
  • 海外に留学中の方でも申請可能
  • 研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能

担当者より一言

関西電力グループの一員である日本ネットワークサポートは、1920年創業のがいし事業において世界最高レベルの技術力や製造環境を有しています。この強みを活かして、都市基盤を支える新たな事業を生み出したいと考えています。また、例えばポリマー碍子に使われているシリコーンゴムやガラス繊維強化樹脂のリサイクルやアップサイクルなど、環境にもやさしい持続可能な技術を切り離して考えることもできません。一緒に100年後の都市基盤を支える新たな研究開発にチャレンジしましょう。

設置企業インタビュー記事

(写真向かって左から)
開発本部 副本部長 福島 武志 氏
取締役 常務執行役員 開発本部長・業務本部長 島戸 俊明 氏
開発本部 佐野技術開発センター 中嶋 沙季 氏

都市基盤を支える技術力と製造環境を活かし、共に幸せな国づくりをしたい

今でこそ安定した電力を全国に届ける送配電網。この送配電網に欠かせないのが碍子と呼ばれる絶縁器具だ。100年前当時、輸入していた碍子は品質が悪く、安定した電力供給には程遠いものだったという。このようななかで国産磁器碍子をゼロイチで開発し、私たちの生活基盤を支えたのが、現在は関西電力グループの一員である日本ネットワークサポートのがいし事業につながっている。

信用される高度な焼き物技術

鉄塔や電柱などの支持体と電線の間を支える碍子に求められる特性は、電気的な絶縁性はもとより、機械的強度、耐候性など、どのような気象条件であっても数十年という単位で機能し続けることだ。その多くは磁器で作られているが、ちょっとした高さから落としても割れたりせず、高圧電線等に用いられるものは、わずか15mmの厚みで33トンの引っ張りにも耐えることができる。高品質な碍子づくりには、原料組成、製法、品質管理、そのどれをとっても非常に高度な技術が活かされている。長石や珪石、粘土などの原料を大量に微粉砕するトロンメル型のボールミルや、1,300°C前後という高温にも関わらず温度ムラは10°C程度で高精度に制御できる大型の焼成炉など世界最高レベ ルの製造設備もこれを支えている。

碍子を焼き続けるためにも新たな事業にチャレンジする

磁器碍子を創り続けて100年、日本国内の送配電網は十分に張り巡らされた。見渡せば電柱、鉄塔、電線があり、無数の碍子が使われている。数十年間壊れることなく使われることもある、まさに都市基盤を支えている製品である。近年は、軽量で作業性のよいポリマー碍子の採用が伸びてきているが、ポリマー碍子では代替できないところもあり、これまでのように需要・販売が大幅に拡大する製品ではないが、社会インフラを支えている以上、磁器碍子を焼き続ける使命がある。そこで、“事業の成長を目指しながら碍子も焼き続ける使命の達成”、に向けて着目したのが、碍子製造設備であるトロンメル型ボールミルや焼成炉を活用した新たな事業の創出だ。このチャレンジを島戸氏は「都市基盤を支えるインフラ企業として、この国を幸せにする社会的使命をもって取組みたい」という。さらに、「今まさに100年前に錠之助が集めたような研究者、技術者の仲間が必要だ」と続ける。日本ネットワークサポートの前身である大阪陶窯を1920年にゼロイチで創業したサムライ香月錠之助をモデルにした歴史小説『サスペンション・ガイシ』を上梓した島戸氏らしく、その当時と今を照らして想いを重ねる。

堅実な製品づくりから新たな挑戦に踏み出す

錠之助は、創業からわずか3年で現在でも通用するほど高品質な碍子製造技術を確立したという。大きなチャレンジの連続があったことは想像に難くない。以来、電力会社等の顧客からのニーズに合わせた製品開発、製造設備や機械を刷新するなど、改善を重ねてきた。しかし一方で、研究開発では時代を先取りするような取組みはされなくなり、待ちの姿勢が定着していったという。そこで、3年前に開発本部を設立し、新事業につながるアイデア募集やアイデア出しのためのワークショップを行い、社員も積極的にこれに参加した。しかし、「新たな領域を拓くアイデアには出会えなかった」と島戸氏はこの3年間を振り返る。既存事業の延長線上に留まりがちな発想は、堅実な製品を作り続けた技術者がゆえに確固たる製品が頭にあり、碍子や電柱などに意識が向き過ぎてしまうのだろう。この状況を打開するためには、社外の多くの知見に接し、刺激を受け、挑戦していくことが大切になる。

世界最高レベルの技術力と製造環境に新たなアイデアを加えたい

関西電力でイノベーション組織の立ち上げ経験を持ち、2年前に開発本部に入った福島氏は、「自由に考え、時に妄想でもいいから、失敗をも成功につなげる研究開発」を目指したいと、3M社のポスト・イット®を例にチャレンジを積極的に促している。今回のプロジェクトに参画する中嶋氏は、学生時代の無機化学実験で安定化ジルコニアを作ったとき、「粉をすって、バインダーを加えて、炉にいれたらカチカチになった。その変化が不思議だった」と、焼き物に魅了され、研究者への道を決めた感動を振り返る。セラミックスの新たな可能性を拓き、次なる都市基盤の構築に貢献したいという中嶋氏だが、その根っこにあるのは「いろいろなものを焼いてみたい」という真っ直ぐな好奇心だ。今、日本ネットワークサポートは、これまでにない発想で、こんなものを微粉末化したい、これを焼いたらどうなるだろうという好奇心で、世界最高レベルの設備を活かして、一緒に研究開発を楽しめる仲間を求めている。(文・岡崎 敬)

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