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第51回リバネス研究費 カイオム・バイオサイエンス賞

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株式会社カイオム・バイオサイエンス

設置テーマ・対象分野

疾患の新規治療法確立につながりうる抗体技術の利用または抗体取得を必要とする研究

設置概要

採択件数:若干名
助成内容:研究費50万円

スケジュール

応募締切:2021年1月31日(日)18時まで
審査結果:2021年4月ごろにご連絡予定

募集対象
  • 大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者
  • 海外に留学中の方でも申請可能
  • 研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能

担当者より一言

我々はまだ治療方法が確立していない医療の課題に対して、これまで自社で培ってきた抗体技術をフルに活用することで、治療の道を提供することを目指しています。今回、現在取り組まれている研究で優れた抗体技術や新たな抗体を必要とされている研究者と手を携え、ともに医療の未解決課題に挑戦していきたいと考えています。みなさまからのご応募をお待ちしております。

設置企業インタビュー記事

カイオム・バイオサイエンス

(写真向かって左から)
取締役 経営企画室長 美女平 在彦 氏
研究本部 研究担当マネジャー 浅越 健二郎 氏
研究本部長 兼 事業開発部長 山下 順範 氏

多様な研究者との連携が、医療のアンメットニーズへの端緒になる

「医療のアンメットニーズに創薬の光を」をミッションに掲げるカイオムは、がんや希少疾患を始めとした、未だ十分な治療効果が得られていない疾患に対する、抗体医薬品の創出・導出に取り組んできた。新たな創薬ターゲットを求め、同社はアカデミアの幅広い基礎研究に熱い視線を向けている。

抗体医薬のプラットフォーマー

生体内の標的分子に絞って作用する抗体医薬は、治療効果が高く、副作用が少ないといった特徴があり、現在の医薬品市場の上位を占める。抗体医薬に特化したバイオベンチャーであるカイオムは、優れた抗体工学の技術プラットフォームを保有することが強みだ。独自開発したin vitroでの抗体作製技術「ADLib® システム」をはじめ、従来の免疫法では困難な抗原(標的)に対する抗体を取得でき、抗体取得にかかる時間を短縮できる作製技術を複数有している。また、高い純度で抗体・抗原などのタンパク質を調製する技術や、抗体のヒト化や親和性向上などの抗体エンジニアリングなど、創薬研究のプロセスを支える技術プラットフォームが特徴だ。

より有効性の高い創薬につなげるためには、抗体改変技術も重要となる。通常、抗体は2本ある腕を使って1種類の抗原しか認識しないが、これを改変して2つの抗原に結合するバイスペシフィック抗体や、さらに抗原結合部位を増やしたマルチスペチフィック抗体などの技術が生まれている。カイオムは2018年12月、英国Biotecnol社との譲渡契約締結により、マルチスペシフィック抗体CBA-1535とそのプラットフォーム技術であるTribody技術を取得した。Tribodyは、最大で3種類の異なる抗原結合部位を持つことにより、単独の抗体では実現できない多様な効果を生みだすことができる。このように抗体エンジニアリングの柔軟性を高める技術も、カイオムの基盤を支えている。

基礎から臨床まで、シーズを創薬へつなぐ

こうした優れたプラットフォーム技術を持つカイオムは、自社独自の創薬パイプラインを複数走らせながら、シーズ発掘から創薬までを一気通貫で行っており、2020年8月には国立がん研究センターと共同で、肝臓がんを中心とする抗原DLK-1をターゲットにしたがん治療用抗体の臨床第I相試験も始まっている。「我々はある意味アカデミアにも近い基礎の研究開発から、創薬、臨床までをカバーしています。今後はさらにアカデミアの研究者の皆さんとの連携を深めることで、抗体医薬の治療ターゲットをともに拡大していくことができると考えています」と山下氏は話す。

同社ではアカデミアの若手研究者との将来的な連携を見据え、2017年からリバネス研究費を計3回実施している。過去2回は難治性がんや希少疾患における創薬シーズを、昨年は抗体関連技術を対象に公募を行い、8名の研究者を採択してきた。「アカデミアの基礎研究と創薬開発のギャップを埋める、橋かけ役でありたい」という思いがその根底にある。

医薬から理学・工学・農学まで、多様な研究者集まれ

今年度のリバネス研究費では、「疾患の新規治療法確立につながりうる抗体技術の利用または抗体取得を必要とする研究」を募集テーマにする。「対象とする疾患領域は今回あえて限定しません。医療全般のアンメットニーズに対し、“抗体”を軸にして挑む、意欲的な研究テーマをぜひ寄せてください」と山下氏は語ってくれた。もちろん、すでに抗体を使っている創薬研究も対象だが、現時点では抗体を扱っていない場合でも応募が可能だ。例えば低分子など別のモダリティを扱っている場合は、その発想を抗体に展開した場合のテーマを期待したい。また、医学部や薬学部に限らず、理学部や工学部、農学部の研究者で、抗体や阻害剤を使ったデータがまだ無いという場合でも、抗体のターゲットになりうる、ある経路で中心的な役割を担う治療標的を発見した、というテーマであれば対象となる。特に、近年進展が著しい免疫領域の研究には山下氏も注目しているという。

さらに、前述のように、カイオムが保有する抗体工学の様々なプラットフォーム技術と掛け合わせたアイデアも大歓迎だ。「実は最初から良い抗体が取れないと創薬に結びつかない、ということはありません。例えば、過去に取得した抗体のパフォーマンスが悪く断念したという場合は、親和性向上などのカイオムの抗体エンジニアリング技術を組み合わせることで、創薬への道筋をつけることができるかもしれません」。

医療におけるアンメットニーズはいまだ多く残されている。その未開の地を開拓するには、アカデミアの研究者の自由な発想と、創薬開発から臨床までをつないでいく開発力の両方が不可欠だ。そのとき、カイオムは研究者の良きパートナーとなるに違いない。(文・塚越 光)

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