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第46回クボタイノベーションセンター賞採択者「完全閉鎖型植物工場でイチゴ生産を実現する」市川 友貴さん

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[第46回リバネス研究費クボタイノベーションセンター賞]採択者インタビュー 
【採択者】
市川 友貴 氏(千葉工業大学 情報科学部情報工学科 4年)
【採択テーマ】
虫媒に代わる受粉ロボットシステムとイチゴ検出アルゴリズムに関する研究
【研究費情報】
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完全閉鎖型の植物工場は、レタスなどの葉物類が中心である。現在、葉物以外が生産できるシステムの開発が企業やアカデミアで進められているが、果菜類の生産においては実をつけるために受粉作業をいかに行うかが実装へのポイントとなっている。本賞で採択されたのはロボットで受粉作業を行う研究テーマだ。

生産現場で知った課題

 市川氏は、ニューラルネットワークや脳波研究がメインの研究室におり、それまでは別の研究テーマを行っていたそうだ。今回の研究は、農業系のデータロガーやセンサー開発を手伝っていた際にイチゴ農家の話を聞き、農業の課題解決につながるテーマにしたいと考えたのがきっかけだという。始めは閉鎖型施設でのイチゴ収穫ロボットがメインテーマだったが進めていくなかで、そのような施設では受粉ができないという課題に直面し、本採択の研究がスタートした。画像認識とロボットの組み合せ受粉を行う閉鎖型施設においては、虫を使った受粉がうまく行えないため果菜類の生産が難しい。その理由として、ミツバチは太陽を目印に飛ぶため閉鎖型施設では活用できない。加えてこれら施設のメリットとして収穫物の生菌数が少ない点、洗わずに食べられる点が挙げられるが、ミツバチ以外の虫を使うことも病気発生や異物混入が懸念されるため使いづらい。そこで受粉作業をロボットで代替できないか市川氏は研究を進めている。開発中の受粉システムは、画像情報を用いて適切な受粉時期を判断し、ロボットに取り付けられた専用アタッチメントで受粉を行う。現在は、イチゴの花を画像認識しロボットアームで受粉作業を行い結実させるところまで成功している。

計画的生産を行うシステム

 現在は、イチゴは受粉がうまくできないと実の形がいびつになるため、花粉がうまく付着するアームの動かし方について検証を進めている。また画像から花を認識する精度を高めている。画像認識の精度が向上すれば、施設での収穫のしやすさを考えて受粉する花の選定ができるようになり計画的な生産が行えるようになる。ロボットアームについてもアタッチメント交換で収穫も可能なマルチタクスができるシステムを目指しているそうだ。これまでの研究では、開発した機器の実証場所を探すのに苦労したそうだ。本賞を受賞し、実証にクボタの農場とも連携ができるのであれば研究開発が加速すると意気込みを語る。将来的には、閉鎖型施設だけでなく、搭載するセンサーを限りなく少なくすることで、小規模農園でも導入できる低コスト化を実現し、イチゴ農家の負担とリスクの軽減を目指していきたいと市川氏。植物工場だけでなく、農家の課題解決につながる研究開発に期待したい。(文・宮内陽介)

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